「自分がヒヨッコに見えた」山縣亮太はなぜ“短距離のタブー”筋トレを始めたのか? パリ五輪では「2~3キロ増量」の理由

 山縣亮太東京五輪は、戦う前から勝負が決まっていたのかもしれない。自国開催の祭典で予選落ちをしてから約2カ月後、インタビューをする機会に恵まれた。その言葉から、男子100メートル予選に臨む直前、周囲に気圧されていたことが感じ取れた。

「横を見たら、体つきがゴリッゴリの海外の選手がいて、自分がすごくヒヨッコに見えたんです」

 同じ3組には、金メダルを獲得するラモントマルセル・ジェイコブス(イタリア)がいた。分厚い胸板が嫌でも目についた。1つ後ろの4組は、準決勝で9秒83を出す蘇炳添(中国)が、はち切れんばかりの肉体で存在感を放っていた。

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