MGCで日本マラソン界が向上。好記録連発の一方、課題も露に

3月8日にびわ湖毎日マラソン名古屋ウィメンズマラソンが行なわれ、東京五輪代表の「3人目」が決まった。

男子は、東京マラソンでMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)ファイナルチャレンジの設定記録(2時間5分49秒)を上回る、2時間5分29秒の日本記録を樹立した大迫 傑(おおさこ・すぐる)。

一方の女子は、1月の大阪国際で松田瑞生(まつだ・みずき)が同設定記録(2時間22分22秒)を突破する2時間21分47秒で優勝したが、最終トライアルで劇的なドラマが待っていた。

冷雨のレースで22歳の一山麻緒(いちやま・まお)が爆走。30kmの通過タイムは大阪国際の松田から40秒遅れていたが、終盤は世界レベルのスピードで突っ走り、2時間20分29秒の大会新でゴールに飛び込んだ。

一山は東京五輪代表をゲットしただけでなく、日本人の国内最高記録を17年ぶりに更新。日本歴代記録でも野口みずき渋井陽子高橋尚子に次ぐ4位にランクインした。

レース後の日本陸上競技連盟の会見で、瀬古利彦ラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「雨が降って、記録が出るのか心配していましたが、一山選手は本当に強かった。この走りをすれば、世界でも通用するんじゃないでしょうか。東京五輪も楽しみですし、日本記録を狙う一番手だと思っています」と一山の走りを絶賛。

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