戦術のカギとなった「花の2区」の黄金ルーキー。

「4連覇した頃というのは、当たり前のことを当たり前にできていたので、勝っても特に感激がわき出てくることがなかった。でも、負けたらやっぱり悔しいし、そこで一度否定された方法論を貫き通して、もう一度勝つことが出来た。それが嬉しいんです」

 令和初となる第96回箱根駅伝で総合優勝を果たした青山学院大学の原晋監督は、そう言って胸をなでおろした。

 今大会、戦前の展開予想として報じられていたのは“5強”を中心とした混戦模様だ。青学大に加えて、東海大学國學院大學駒澤大学東洋大学の各チームが拮抗した力を持ち、久しぶりに絶対的な本命が不在という下馬評。原監督も大会前には「今大会は『戦術駅伝』。例年に比べ具体的な話ができないことをご了承下さい」と、これまで見たことがないほどのピリピリムードだった。

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