7月23日。5000mの決勝を終えた田中希実は泣き腫らした目で記者の前に現れた。
【激走写真】800m、1500m、5000mですべてを出し切った田中希実の激走と美しいフォーム、疲れきって倒れ込む姿、女王ハッサンに歩みよるシーンも《世界陸上・東京五輪フォトギャラリー》
「くやし涙なのかな」
そう尋ねると、目を潤ませながら応じてくれた。 「なんの涙か分からないんです。昨日からなんの涙か分からない涙が出てきて」
そう話す間も涙が頬をつたう。
3種目に挑戦したものの「目に見えて分かるタイムや順位が、最後までついてこないまま終わるんじゃないかという怖さがあった」と話すように、思うような結果がついてこないことへのプレッシャーもあったのだろう。