日本新記録を樹立してなお、レース後すぐにインタビューに答える姿には、まだまだ余裕があるようにも思えた。
順天堂大学2年生の三浦龍司。“天井知らず”という言葉がぴったりな19歳だ。
5月9日に国立競技場で開催された東京2020テストイベントREADY STEADY TOKYOの男子3000m障害で、三浦は18年ぶりに日本記録を塗り替える8分17秒46で優勝を果たした。
「新国立競技場を走って、なんていうか、オリンピックに向けて現実味が増した感覚があります。世界の選手と戦っていこうと思えば、まだまだ記録を伸ばさなきゃいけませんが」
今夏のオリンピック会場で、五輪に出場するために必要な記録(参加標準記録:8分22秒00)をもクリアした。
三浦は、昨年7月にも参加標準記録を上回る8分19秒37で走っているが、この時は有効期間外だった。今度こそは、文句なしの記録突破。これで、6月の日本選手権で3位以内に入れば、いよいよ東京オリンピックの日本代表が決まる。三浦の活躍を呼び水に日本の男子3000m障害は活況を呈しており、日本選手権も激戦が予想されるが、五輪代表最有力選手であることに間違いない。
2016年のリオデジャネイロ五輪には、順大の先輩に当たる塩尻和也(現・富士通)が在学中に出場を果たしたが、2大会連続で、順大の長距離ブロックからオリンピアンが誕生しそうだ。