第97回箱根駅伝のシード権争いを占う。國學院大と東国大はエースの穴を埋められるか。

 10位と11位――。

 たったひとつの順位差でチームは、天国と地獄を味わう。

 10位までのチームには、翌年の箱根駅伝出場が約束された大事な手形、いわゆるシード権が与えられる。だが、11位以降は、その手形を失い、翌年は本大会の前に箱根駅伝予選会を戦い、出場権(10枠)を獲得しなければならない。

 それは、箱根駅伝を2回走るようなものだ。

 シーズン中に予選会と本大会の大きな山を2つ作らないといけなくなるからだ。夏合宿の多くは予選会に向けての練習が主となり、ハーフマラソンの距離を走れるように選手の仕上げを早めないといけない。

 しかも予選会は想像以上に厳しい。周囲の期待が膨らむ中、負けられないプレッシャーを抱えて選手は走る。戦力的に優位にあるチームでも予選会に絶対はない。

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