大迫傑 遙かな、その先を目指して。

モニターに映し出される大迫傑選手(ナイキ・オレゴンプロジェクト)が拳を握り感情を爆発している。2016年6月24日、名古屋市瑞穂公園陸上競技場で行われた第100回日本陸上競技選手権大会男子10000mの優勝時のひとコマだ。

「孤高の天才ランナー」「トラックで最も世界に近い選手」などとスポーツファンから熱い期待を寄せられも、2012年大会から10000mは3年連続2位、昨年大会も5000mで2位と、表彰台の一番の高みからは遠ざかっていた。

その大迫選手が日本選手権10000mで勝利した。優勝に加え、28分07秒44というタイムで参加標準記録(28分20秒00)を突破したことから、文句なしのリオ五輪内定を勝ち取った。最後の1周は独走状態でトラックを駆け抜けるという圧倒的な強さを見せつけ、早稲田大学の駅伝時代のような「とてつもなく強い大迫」を観客に印象づけた。


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