<22年間の激走を語る>福士加代子「マラソンのラスボス、倒せたかな」

長きにわたり、日本の陸上長距離界を牽引してきた笑顔の女王が、成功あり失敗もありの賑やかなアスリート人生を終えた。走り続けた脚をとめ、その苦楽に満ちたキャリアを振り返る。

 昨年の12月22日、ワコール女子陸上競技部スパークエンジェルスのHPに「福士加代子からの大切なお知らせ」というタイトルの記事がアップされた。

“来たる2022年1月30日(日)大阪ハーフマラソンを最後に第一線を退くことをここに報告いたします。”

 その発表からおよそ1カ月半、2月上旬の火曜日、僕は京都市左京区平安神宮からほど近いカフェの2階で福士加代子が到着するのを待っていた。

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