走りの神様がいる道

全国高校駅伝7度の優勝を誇る、地元広島県立世羅高等学校陸上競技部が、半世紀以上に渡りトレーニングを積む山道(さんどう)。その起点となる修善院には、「走る神様」とされる「韋駄天様」が日本唯一の石像として屋外に奉られている。
 起伏が激しく不整地な足場が、ランナーの心肺機能と脚力を鍛えぬく。クロスカントリーコースの往復4.85kmをしっかり走り切るには覚悟が必要だ。今日は中間地点の急激な上り坂でしっかり腕を振って走ることができるか?
 木々に覆われた山道は、夏は涼しく冬は暖かい。ハイレベルなトレーニングを、自然が与えてくれる。このコースを整備しているのはお年寄りなどのボランティア。地域の皆さんに支えられ、チームの強さや伝統が育まれている。
 感謝の気持ちを忘れず、今日も走る。

「走りの神様がいる道」原 晋(青山学院大学陸上競技部監督)