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高校総体事故:死亡生徒の両親、県を損賠提訴へ /神奈川
 08年の県高校総体陸上競技大会の会場で、他校の生徒と衝突後に死亡した男子生徒の両親が5日、県と相手生徒(17)に損害賠償を求めて横浜地裁に提訴する。請求額について原告側は「再発防止のために原因を明らかにするのが提訴の理由」と公表していない。

 事故は08年5月24日、横浜市三ツ沢公園陸上競技場で、男子二百メートルに出場予定の県立川和高1年の阿部英生君(15)=当時=がウオーミングアップでトラックを走行中、前を横切った別の県立校1年の男子生徒と衝突。頭などを強く打って意識不明となり、同年7月5日に脳挫傷などで亡くなった。

 訴状では「男子生徒は注意力散漫な状態でレーンを横切った。大会運営責任者の県も試合出場予定がない選手のウオーミングアップを許容した」などと過失を主張している。

 原告側によると、阿部君は07年度、中学男子百メートルで全国最高を記録。事故前にあった同種目は10秒82で3位に入り、南関東大会の出場が決まっていた。

 県は事故後、出場選手以外のトラック、フィールド内の練習を禁止し、監視役の競技役員の配置も決めた。事故について「大変痛ましい事故で残念だが、特定の誰かに明確に責任があるものとは考えていない」としている。