1位に躍進した大東文化大学、55年ぶり本大会出場の立教大学 第99回箱根駅伝予選会通過校から台風の目は生まれるか

 会釈で挨拶をした方も、言葉を返した方も、表情は晴れやかだった。

「お前のところにぜんぶ話題を持っていかれそうだわ。また飲みに行こう。お疲れー」

 会釈したのは立教大学上野裕一郎監督で、それに応えたのは報道陣に最後まで取り囲まれていた大東文化大学の真名子圭監督である。両校はこの日、第99回箱根駅伝出場をかけた予選会で周囲を驚かせる大躍進を見せていた。

 箱根駅伝の予選会は各校10名から12名の選手がハーフマラソンの距離を走り、上位10名の合計タイムで競われる。今回の予選会を1位で通過したのは大東大で、本大会出場は4年ぶりのこと。3年間悔し涙を流し続けたチームがトップで通過したことに衝撃を受けた。

 さらに驚いたのは6位に入った立大で、本大会復帰は実に55年ぶり。これまで青学大が持っていた33年ぶりの返り咲きという記録を大幅に塗り替えた。いったい何がこのサプライズを可能にしたのだろう。改めてあの日の両監督の言葉を振り返ってみたい。

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