林田洋翔(三菱重工)は、なぜ大学進学しなかった?

 多くのスター選手の活躍により、近年ますます盛り上がりを見せている大学駅伝界。有望な高校生ランナーのほとんどが箱根駅伝を走るために関東の大学に進学するなか、高校卒業後、すぐに実業団入りした選手がいる。2月の全日本実業団ハーフマラソンで優勝を果たした林田洋翔(はやしだ・ひろと/三菱重工)だ。中学時代から同世代のトップランナーとして注目を集めていた林田は、なぜ箱根路を目指さなかったのか。インタビューでその理由に迫った。

 

1学年上の田澤廉を破った“スーパー中学生”林田洋翔はなぜ箱根駅伝を目指さなかったのか?「ニューイヤーの方が面白いじゃないですか」

 2年前の決断について、「後悔はまったくないですね」。20歳の林田洋翔は、笑顔でそう話す。

 当時、高校3年生だった彼は人生の岐路に立たされていた。高校を卒業し、関東の大学へ進学するか、それとも実業団へ進むか、選択権は自らの手の中にあった。長距離選手にとってそれは、箱根駅伝を目指すのか、あるいは別の目標を立てるかに等しい。多くの選手は迷いなく箱根を選ぶだろうが、彼はその道を選ばなかった。

「もし関東の大学に行っていたら、自分は遊んでしまっていたと思うので(笑)。地元(長崎)の実業団を選んで良かったと思います」  

 林田の名前を聞いて、ピンとくる人もいるかもしれない。彼は中学時代、走るたびに記録を塗り替えるスーパー中学生だった。

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「もっと色々な選択肢があっていい」“箱根駅伝偏重”に一石を投じた林田洋翔20歳(三菱重工)が「高卒即実業団」から見据える世界の頂

 中学卒業後、林田は地元・長崎の瓊浦高校に進んだ。当時、長崎県下で4強と言われていた高校の一つだ。この時点で、卒業後の進路の“本命”は関東の強豪大学ではなく三菱重工(当時はMHPS)だったという。

三菱重工への憧れですか? なんでしょうね……。地元の企業ですし、やっぱりシンプルに強いじゃないですか。ニューイヤー駅伝でもつねに上位に入っていて、井上(大仁)さんたちがマラソンで結果を残されている。憧れの気持ちが強くて、『自分も絶対にこのチームでやるんだ』と中学の時には決めていました」

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