大迫傑には自尊心と自重が同居する。 東京マラソン、会心の完勝劇の裏側。

 これまで大迫傑とのワン・オン・ワンでのインタビュー、そしてレースの取材で「感心」したことが何度かあった。

 最初は2010年11月、彼が早稲田大学競走部の1年生のときで、箱根駅伝を前にしてその意気込みを聞く――はずだった。ところが、目がクリッとした1年生は顔色ひとつ変えずにこう話した。

「僕は駅伝に興味がないので」

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