東京五輪マラソン&競歩、本番9か月前にIOCが札幌開催検討 気温約5度低く地理的条件理由に
国際オリンピック委員会(IOC)は16日、東京五輪の猛暑対策として陸上のマラソンと競歩を札幌開催に変更する案の検討に入ったと発表した。東京より気温が約5度低く、地理的な条件などを理由としている。五輪開幕まで1年を切り、IOCが会場変更を提案するのは異例の事態で、実現には難航も予想される。猛暑を見据えて準備を進めてきた現場サイドでは驚きと戸惑いの声が上がった。
危機感強めたIOC=ドーハでの惨状も背景
東京五輪のマラソン、競歩はスタートを早朝に繰り上げても酷暑の影響が懸念されていた。運営を確認するテスト大会を兼ねたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)も9月15日に終え、開催まで10カ月を切った時点で国際オリンピック委員会(IOC)が動いた。9月下旬から中東のドーハで行われた世界陸上での惨状も背景にあるとみられる。
突然の発表に日本陸連は困惑「寝耳に水」IOC、東京五輪マラソン札幌開催検討
国際オリンピック委員会(IOC)は16日、猛暑が懸念される東京五輪陸上のマラソン、競歩について、札幌で開催することを検討すると発表した。電撃発表に日本陸連の関係者は困惑を隠せなかった。「今、初めて知りました・・・。そういう話は全然聞いてなかった。現状では何とコメントしていいか」と、戸惑いを口にした。別の関係者も「寝耳に水です」と話し、対応に追われた。組織委員会関係者も「今、ニュースをみて関係者と協議している。陸連や札幌にも具体的な話はまだじゃないか」と、話した。