2時間1分台の世界新より恐るべき、キプチョゲの「ラスト2.195km」。
ベルリンマラソンでエリウド・キプチョゲ(ケニア)が2時間1分39秒の世界新記録をマークした。従来の記録2時間2分台(2時間2分57秒)をあっさり、なんと1分18秒も大幅に破った偉業である。
実は、レースの日の早朝「ベルリンではキプチョゲが1分台を出すかもしれませんね」というタイム予想を、シドニーマラソン解説の直後にテレビ局関係者と話していた。彼なら2時間2分台の世界記録では満足しないと思ったからだ。
キプチョゲの勝負強さは、リオ五輪(2016年)の金メダルが物語っている。
また、世界記録更新の可能性がいかに高かったかということも、昨年5月にフルマラソンでの2時間切りを目指すイベントとして開催された「ブレイキング2」で実証済みである。
非公認とはいえ、キプチョゲはすでに42.195キロを2時間0分25秒で走っているのだ。
だから正直、10年前の2008年、ベルリンマラソンで2時間4分の壁を世界で初めて破ったハイレ・ゲブレセラシエ(エチオピア)のときほどの衝撃はない。