服部満点に近い走り、日本人4分台見えた/瀬古利彦
男子マラソン界の好記録ラッシュが止まらない。服部勇馬(25=トヨタ自動車)が日本歴代8位の2時間7分27秒で優勝した。男子マラソンの日本歴代10傑中、今年だけで4つ目の好記録が誕生した。
福岡マラソンで箱根駅伝出身の“新星”服部勇馬Vの衝撃。日本マラソン4強時代へ。
伝統の福岡国際マラソンで“プリンス”が誕生した。社会人3年目、25歳の服部勇馬(トヨタ自動車)だ。独走で平和台陸上競技場に戻ってくるとサングラスを外して、最後の直線でキャップをとった。力強いラストスパートの後は、東洋大時代に“駅女”を虜にしたイケメンの笑顔が弾けた。
優勝タイムは日本歴代8位の2時間7分27秒。日本人では14年ぶりとなるFUKUOKA王者に輝いた服部は、「過去3回のマラソンは終盤に失速していましたが、残り7キロを走ることができれば、おのずとタイムはでると思っていました。課題を克服できて、練習の成果がタイムにでたのがうれしいです」と微笑んだ。
服部は、日本陸連の尾縣貢専務理事が「プリンス」と表現するほど過去のキャリアがキラキラしていて、将来性にあふれたランナーだ。
川内優輝 後半巻き返し10位フィニッシュに「悪いなりには走れた」
福岡国際マラソンが2日にあり、4月のボストンマラソン覇者、川内優輝(31=埼玉県庁)は2時間12分3秒で10位だった。11キロの給水で遅れ、「30キロまでついていければ」というプランが崩壊。それでも、苦悶の表情を浮かべながら粘りに粘った。31キロ付近では18位。そこから脱落者を拾い続けてフィニッシュした。
「また前半で離されて最後粘るだけのいつものレースをしてしまった。10月が最悪の状態で、1カ月では無理があった。このタイムは今季セカンドベスト。悪いなりには走れた」