「僕の好きなように練習させて」桐生の直訴に応えて“教習所型”に

 陸上100メートルで日本人初の9秒台突入を果たした桐生祥秀東洋大学4年)の軌跡で、ターニングポイントとなったのは2015年夏だった。土江寛裕コーチ(43)は練習方法を見直し、車の運転に例えれば、桐生にハンドルを握らせ、自らは助手席に座る、“教習車型”に変えたのだ。

 米国発の衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、東洋大学2年に進級する直前の15年3月29日未明だった。

 「桐生祥秀 追い風参考記録で9秒87!」

 テキサス州で臨んだシーズン初戦で、3・3メートルの追い風参考ながら、電気計時では日本人で初めて100メートル9秒台をマーク。公認されるぎりぎりの追い風2・0メートルで換算すると、9秒96になる快走は、冬場に積み重ねたトレーニングが結実したものだった。

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