駅伝を経由せず、選んだ五輪直行。

「あーーーっ!」

 声にならない叫びをあげて、2度、3度と右の太腿を強くたたく。握りしめた拳は、湧きあがる悔しさを、こらえきれないようだった。

 陸上日本選手権の男子1500m決勝。ラスト勝負で優勝した館澤亨次(東海大)に競り負け、2位に終わった遠藤日向(えんどう・ひゅうが/住友電工)は、レース後もしきりに無念さをにじませていた。

 

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