挫折と飛躍を経験した村山紘太の1年

 2015年11月28日に行われた八王子ロングディスタンス男子1万メートルで、日本陸上界の歴史が14年ぶりに動いた。村山紘太(旭化成)が同僚・鎧坂哲哉(旭化成)とのデッドヒートに競り勝ち、全体3位の27分29秒69をマーク。2001年に高岡寿成(現カネボウ監督)が出したタイム(27分35秒09)を5秒40更新する、日本新記録を樹立したのだ。昨年5月には5000メートルでも自己ベストを出しており、村山にとっては飛躍を遂げた1年だったと言える。

 その一方、初めて出場した8月の世界陸上(中国)では5000メートルで予選敗退と苦汁をなめた。ピーキングに失敗し「今考えるとレース前から諦めていた」と村山は振り返る。しかし、大舞台で味わった屈辱が選手としての成長を促したのも事実だ。2016年のリオデジャネイロ五輪の出場を見据える村山に、世界大会の厳しさ、双子の兄である村山謙太(旭化成)やライバルでもある大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)について語ってもらった。

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