オーストラリアのキャンベラで11日、陸上競技会「サマー・オブ・アスズ・グランプリ」があり、男子100メートルに桐生祥秀(東洋大)と山県亮太(セイコー)が出場した。ともに今季初戦で、2本のレースを走った。1本目はともに自己ベストに迫るタイムを出し、日本人初の9秒台の期待が高まったが、2本目は向かい風と条件も厳しく、記録は伸びなかった。
男子
優勝 出雲工業A
2位 平田高校
女子
優勝 浜田高校
2位 平田高校
2月26日に開かれた東京マラソンは、アフリカ勢と日本人選手の間に大きな実力差がある現実を改めて浮き彫りにした。優勝したケニアのウィルソン・キプサングのタイムが2時間3分58秒で、上位7人は全員アフリカ勢。日本人最高位は井上大仁の2時間8分22秒(8位)。
現役時代、国内外のマラソンレースで15戦10勝の戦績を残したレジェンドで、日本陸連の「マラソン強化戦略プロジェクト」リーダーの瀬古利彦氏(DeNAランニングクラブ総監督)に取材すると、「箱根駅伝に『42.195km区間』をつくったらいい」という衝撃的な提言が飛び出した。つまり、学生が駅伝の距離の練習に専念し、マラソンの距離向けの練習をしないことに懸念を示したのだ。取材を進めると、瀬古氏の“提案”に意外な人物からツッコミが入った。
2月26日に開かれた東京マラソンではウィルソン・キプサング(34、ケニア)が2時間3分58秒で優勝。終わってみれば上位7人は全員、アフリカ勢だ。
世界との差を見せつけられたのは、正月の風物詩となった箱根駅伝で脚光を浴びた若手選手たちだった。
2012年の箱根から3年連続区間賞の設楽悠太(東洋大卒、Honda)は日本記録(2時間6分16秒)を上回るペースでレースを進めたが、30km以降は失速して11位(2時間9分27秒)。花の2区で連続区間賞(2015、2016年)の服部勇馬(同、トヨタ自動車)は13位(2時間9分46秒)に終わった。日本人トップの井上大仁(山梨学院大卒、MHPS)ですら2時間8分22秒と、トップと4分以上の大差だった。
瀬古リーダー、ふがいない若手へ“瀬古塾”開講プラン
日本陸連の瀬古利彦・長距離マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)は、若手強化の新たな試みとして、定期的に選手を集めて戦術やトレーニング法などを教え込む場を設けるプランを示した。「23~25歳くらいの世代は東京(五輪)の宝。今回の失敗でいろいろ反省してくれていると思うので、できれば将来的に若手を呼んでいろいろな話をする場面を作ってみたい」と“瀬古塾”の見通しを語った。
瀬古リーダー「大喝だよ」びわ湖毎日マラソン日本勢低迷に危機感募らせる
ロンドン世陸最終選考レースは、16年リオ五輪代表の佐々木悟(31)=旭化成=が2時間10分10秒で4位となったのが日本勢最高だった。一色恭志(22)=青学大=や村沢明伸(25)=日清食品グループ=ら期待の若手も低迷し、2時間7~8分台の選手は現れず。日本陸連の瀬古利彦・長距離マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)は20年東京五輪へ「急には強くなれない。練習が足りない」と危機感を募らせた。世陸代表は今月中旬の理事会を経て正式に決まる。
リオ代表の佐々木、2時間10分切れず 「全く話にならない」
リオデジャネイロ五輪マラソン代表の佐々木悟(31)=旭化成=が2時間10分10秒で日本人トップ、全体4位となったが、既に終了した3つの選考会に比べて低調な記録に終わり、世界選手権代表入りは絶望的となった。優勝は2時間9分6秒で走ったエゼキエル・キプトー・チェビー(ケニア)。2度目のマラソンに挑んだ一色恭志(22)=青学大=は途中棄権した。